【公式】闘牛 in Okinawa Blog

沖縄の闘牛の様子、結果を速報。「闘牛」とは、 沖縄の闘牛はスペインの闘牛のように人と牛が戦うものではなく、牡牛が持つ性質(戦いで順位を決める)を用いて、闘牛場で牛同士を人為的にに戦わせるものです。対戦中、牛の側には闘牛士(勢子)が付き、戦いを鼓舞します。闘牛士は対戦中の牛に、それぞれ一人づつ付きますが、対戦場にいる別の闘牛士(複数)が交代で行います。

第105回春の全島闘牛大会

第105回春の全島闘牛大会


相次ぐ熱戦、観客を魅了!
全島闘牛に4000人
 第105回春の全島闘牛大会が8日正午からうるま市石川多目的ドームで行われた。
闘牛界のスター牛が勢ぞろいするビッグイベントとあって、開会2時間も前から続々と観客がつめかけた。会場は満員となり、普段は使わない二階の席まで観客があふれた。入場者は約4000人にふくれあがり、最後列には立見客がずらりと並ぶ大入り満員となった。
恒例のセレモニー(開会式、30分間)の後に早速対戦開始となり、12組(1組は取消)の激戦が次々に繰り広げられた。
第105回春の全島闘牛大会



結びの大一番で行われた「全島一優勝旗争奪戦」は挑戦牛の伊良皆圧送大進撃が現王座の南部一刀流を18分余で下し、新チャンピオンとなった。体格で優る大進撃が戦前の下馬評でも大きくリードしていたが、予想通りの強さを見せた。大進撃が終始前に出る展開となり、一刀流に反撃の機会を作らせなかった。対戦開始10分、防戦一方だった一刀流が疲れ後退し始めると、大進撃の攻めに火が付いた。ぐいぐい一刀流を柵際に押し込み、なだれ込むような腹取り一発。一刀流たまらず敗走となり、大進撃が完勝した。大進撃は11勝1敗で戴冠。攻守兼備の新チャンピオンがどこまで防衛を伸ばすか、大いに注目される。

第105回春の全島闘牛大会


大力皇、激戦を制す!
もっとも見ごたえがあったのは、4番戦。大会切っての人気カードだったが、期待に違わぬ激戦となり、会場をわかせた。元沖縄全島一の東山優武勝と旭日昇天の勢いを持つ大力皇の割り、突きの応酬に観客の目は釘付けとなり、どよめきの連続となった。先手を取ったのは優武勝。勢いを付けて飛び込むような「突き」を連発。角を使った攻撃では引けを取らない大力皇も負けじと打ち返し、交角の鈍い音が断続的に会場に響く、すさまじい打撃戦となった。対戦開始10分を過ぎたあたりで、両牛の額、顔面は流血で真っ赤。観客が息を呑む展開となり、一瞬会場が静まり返る場面も再三だった。12分過ぎ、優武勝の一瞬のスクを突いた大力皇が猛然と押し込むと、優武勝たまらず敗走となった。しかし、柵際でくるりと一回転するや否や、優武勝が逆襲の腹取りに出ると、今度は大力皇が敗走。会場から割れんばかりの大歓声が起こり、優武勝の勝利が決まったかに見えた。しかし、ここからまた予想外の展開に。一旦敗走した大力皇が向き直り、果敢に応戦した。会場の興奮は最高潮に達したが、完全に疲れ、両牛はここから互いに動けず、正対するばかり。疲労困憊となった18分過ぎ、勢子のヤグイが一段と高まり、優武勝が後ずさり。大力皇ここを勝機とばかり腹取りに出ると、優武勝はあっという間に柵際に叩きつけられた。この後優武勝はたまらず敗走。ようやく大激戦に幕が降りた。勝った大力皇は、これで8戦全勝、次期全島一挑戦牛の最有力候補に躍り出た。

中量級全島一は闘将ハヤテが11度目の防衛を果たした。ここまで15戦全勝、近年まれに見る最強チャンピオン闘将ハヤテの気迫に圧倒されたのか、交角後間もなく、挑戦牛大愁龍陸飛がいきなり戦列を離れ、敗走。この間わずか17秒、あっけない結末に会場から大きなどよめきが起きた。

軽量級全島一は、3月に新チャンピオンになったばかりの剛修美龍の初防衛戦だったが、予想通り長期戦となった。スロースターターの美龍がめずらしく序盤から飛ばした。挑戦牛清風花形はこの攻めを必死に持ちこたえ、勝機を待った。両牛、決め手を欠き、消耗戦に突入。形勢不明の大接戦となったが、攻め疲れの出た美龍が15分過ぎて舌出し。スタミナ豊富で定評があった美龍の舌出しに、会場からどよめきが漏れたが、美龍はその後も奮闘した。しかし、疲労は著しく対戦開始25分で力尽きた。最後は清風花形の渾身の腹取りが美龍に決まり、花形が完勝した。花形は11勝1敗。徳之島でも軽量級王座に挑戦したが、果たせず、失意の中で沖縄移籍。移籍当初はこれほどの速いテンポでの王座挑戦は予想できなかったが、見事な王座奪取劇となった。

封切戦のモアと天蛇ヒラーの対戦は17分超となる大熱戦となり、最後は観客の度肝を抜く決着。柵際に追い詰められたヒラーめがけて、モアの腹取りが炸裂すると、ヒラーは頭から一回転し、もんどり打って倒れた。大歓声が上がり、モアが圧勝した。その後も熱戦の連続。8番戦まで10分超の激戦が相次ぎ、観客の肩が何度も揺れた。

第105回春の全島闘牛大会

優 勝:伊良皆圧送大進撃
ゆかり賞:大力皇
敢闘賞:モア
技能賞:みりあ花形

対戦結果 左側が勝牛

牛 名 対戦時間 牛 名
伊良皆圧送大進撃 10分08秒 南部一刀流 →動画
闘将ハヤテ 0分17秒 大愁龍勇気
剛修美龍 26分09秒 清風王道
大力皇 18分18秒 東山優武勝
武捷龍 2分39秒 達矢大力
古堅モータース☆黄龍 14分21秒 蜂男トガイー来夢
南乃大福 2分56秒 天心タイガー
タイギ 10分42秒 伊集若力
みりあ花形 17分15秒 風神王冠
松力隆丸 21分52秒 伊原間花形
壮士朗パンダ 取消 大黒龍パンダ
龍神一輝 11分41秒 戦闘ムサシ
モア 17分52秒 天蛇ヒラー

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