平成26年夏の全島闘牛大会
タイトルマッチは激戦必至!
夏の全島闘牛、10日、石川多目的ドーム平成26年夏の全島闘牛大会(主催:沖縄県闘牛組合連合会、後援・沖縄タイムス社)が10日午後1時からうるま市石川多目的ドームで行われる。
中量級、軽量級の全島一優勝旗争奪戦をメインイベントにしたビッグ大会。2010年からスタートし、今年で5回目の開催となる。県内各地から選抜された優秀牛20頭による10取組が予定され、激戦必至の好カードが目白押しだ。注目の中量級、軽量級のタイトルマッチはともに現チャンピオンの防衛戦。2階級ともチャンピオンの評価が高いが、挑戦牛の底力に期待する声も日増しに増え、手に汗握る大激戦が予想される。闘牛のだいご味がたっぷりと堪能できるだろう。
入場料は大人3000円(女性は2000円)中高生1000円、小学生以下は無料。
「中量級全島一争奪戦」 闘将ハヤテ 対 有心富士若
中量級王座の体重上限は970kg。両牛とも一か月前の計量をパスし、調整は万全のようだ。デビュー以来10戦全勝、向かうところ敵なしの感が出てきた闘将ハヤテが6度目の防衛を果たすかが焦点。両牛の対戦が決まってから下馬評は終始ハヤテがリードしてきたが、挑戦牛の有心富士若の潜在力(6戦全勝)に期待する向きが次第に増え、大会直前になって勝敗予想は拮抗しつつある。闘牛通の間でも、過去5頭の挑戦牛と比べた場合、富士若がもっとも手ごわい相手と見る声が多く、まさに予断を許さない情勢だろう。ハヤテは瞬発力と持久力を兼備し、ここまで安定感たっぷりの戦いを続けている。がっぷりと組み合って、一進一退の消耗戦となれば、優勢は不動。遅かれ早かれ白星が見えてくるだろう。死角があるとすれば、組み合う場面が少なく、離れての打撃戦が頻発する展開になった場合か。蜂男トガイー来夢戦(4度目の防衛戦)では、執拗な割り技に出足を止められる場面も再三あっただけに今回も不安は残る。各階級で6度防衛はここ20年出ていない数字だけに大いに注目される。2011年6月具志川大会で千翔くろひげを下してデビュー。その後、石山阿修羅、不発弾、伊良皆圧送若頭などの実力牛を連覇し、人気実力牛の仲間入り。5戦目で当時空位となっていた中量級王座決定戦(相手は常勝会荒波)に進出し、一気にチャンピオンの座を獲得した。2012年11月秋全島が初防衛(古堅モーターズ号)で、その後トラムクーパンダ、古堅モータース喜神、琉仁謝名戦闘鬼などを立て続けに下し、5連覇を達成している。
対する富士若は昨年夏徳之島から沖縄移籍。徳之島でも中量級王座を嘱望された逸材で、その実力は折紙付きだ。沖縄では2戦2勝(不戦勝含む)。直前の場所(6月父の日)で無双花鷲(元けんたろう)に完勝したが、パワー全開には程遠い内容。今回、間違いなくその真価が明らかになるだろう。徳之島で破った相手は、2011年9月入福パンダ、2012年5月九紋龍、同年10月伊仙同志会、同年5月に清剣。デビュー戦を除けば、実力牛を連破している。序盤からがんがん攻めていくタイプではなく、堅守と逆襲の押し込みが特徴に見える。ただ、最強の敵を迎え、これまでとは異なり対戦開始早々から積極的に飛ばすことも考えられる。序盤の動きを注目したい。
「軽量級全島一争奪戦」 大蛇王 対 龍天龍鬼丸
中量級王座の体重上限は850kg。このクラスは、闘牛の大型化でひところのようにスター牛がひしめくという状況ではないが、それでもその他の2階級よりは人気花形牛が目立っている。両牛とも徳之島からの移籍。徳之島牛のレベルの高さが感じられるが、観客の肩を揺らす大激戦が期待できる。強烈なカケ押しからの腹取り速攻を得意とする鬼丸が先に攻め、大蛇王が首力を生かして堅く守る展開となりそうだ。勝敗のポイントは対戦時間。10分間を過ぎてからの両牛のスタミナがカギで、ここで勝敗の行方が見えてくるだろう。大蛇王は2008年元旦闘牛(徳之島)で「雄天和光号」の名前で白星デビューし、徳之島では9勝2敗1分の戦績。2013年に沖縄移籍し、レッドキング、龍天龍嵐、不動心、ゆうり鬼若(初防衛の相手)などを下して5連勝としている。龍天龍嵐(宇良部嵐)には2勝し、その内の1勝が戴冠となった今年2月の旧正月準全島の軽量級優勝旗争奪戦。今回が2度目防衛戦となるが、スタミナを切らさないマイペースの戦いができれば勝算は大。
挑戦牛の鬼丸は徳之島で3戦した後に沖縄移籍。徳之島では大蛇王ほどの実績はなかったが、沖縄の水に合ったのかここまで大活躍となっている。沖縄では、牛頭若力、豪剣パンダ、東昇ドラゴンズ、短角頑力王、渡具知カキャー、常勝会荒鷲、伊集若力などを下し、闘将メカと琉仁謝名親方に負けて7勝2敗の戦績。黒星がタイトルマッチのみという、悲運な感じもするが、3度目の正直となるかどうか。入場時に場内からどよめきが起きるほどの鋭い大角の持ち主で、これを武器に果敢に前に出る戦法。首力もめっぽう強いだけに、チャンピオンと鬼丸、どちらのカケ力(首力)が優るのか、こちらも興味津々だ。
「3番戦」 新力同志号 対 荒波
伸び盛りの新力同志号と、古豪の風格が出てきた荒波の対決。成熟期に入り、筋力が付きつつある同志号が終始前に出る戦いを見せれば、10分前後で勝機をつかむだろう。荒波としても戦いの主導権は渡せない。同志号の前進を止め、逆に押し返す場面を作ることができれば、新鋭の挑戦を返り討ちにする公算が高い。同志号、今年は1敗(勝進龍)の後2連勝(通算は6勝1敗)。
荒波は過去に中量級王座に挑戦するなど常に上位戦線で活躍していた。一時期スランプに陥り、存在感を薄くしていたが、今年になって完全復活(戦闘大主、蜂男トガイー来夢に勝利)。勢いは本物で今回も期待を集めそうだ。
優勝旗争奪戦(タイトルマッチ)出場牛の対戦記録(動画付)
「アトラクション」
対戦開始前には、浦添市を拠点に活動する鼓衆若太陽(ちじんしゅうわかてぃーだ)による勇壮な太鼓演舞が予定されている。

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