【公式】闘牛 in Okinawa Blog

沖縄の闘牛の様子、結果を速報。「闘牛」とは、 沖縄の闘牛はスペインの闘牛のように人と牛が戦うものではなく、牡牛が持つ性質(戦いで順位を決める)を用いて、闘牛場で牛同士を人為的にに戦わせるものです。対戦中、牛の側には闘牛士(勢子)が付き、戦いを鼓舞します。闘牛士は対戦中の牛に、それぞれ一人づつ付きますが、対戦場にいる別の闘牛士(複数)が交代で行います。

第102回秋の全島闘牛大会

第102回秋の全島闘牛大会

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 第102回秋の全島闘牛大会(主催・沖縄県闘牛組合連合会、後援・沖縄タイムス社)が11月9日正午からうるま市石川多目的ドームで開催される。
150年以上の歴史がある闘牛は中北部地域で根強い人気がある伝統娯楽。年間25回前後の大会が行われているが、これらの頂点に位置するのが全島大会。これまでに行われた各大会で活躍した強牛の中から26頭を選抜し、戦力拮抗の13取組が編成された。闘牛ファン待望のゴールデンカードが目白押しとなっているが、目玉は終盤で行われる3階級(無差別、中量級、軽量級)のタイトルマッチ。手に汗握る大迫力場面がたっぷりと堪能できるだろう。

入場料は大人3000円(女性2000円)、中高生1000円、小学生以下は無料。

第102回秋の全島闘牛大会


全島一決定戦



第102回秋の全島闘牛大会


最強牛を決める大一番。体重無差別となっているので、近年は1100kg前後の巨漢牛が王座に就くことが多く、今回も超大型対決となった。前チャンピオン古堅モータース若力の王座明け渡しで空位となった王座を東立成号と石山玄皇が争う。両牛ともまだ底を見せない無敗牛だけに対戦予想が難しいが、大方の予想は実績(戦歴)で上回る東立成号がややリード。しかし、一発の強さがある石山玄皇への期待が次第に増えており、大会直前では予断を許さない情勢となっている。序盤から激しい押し合いとなり、一進一退の消耗戦になる可能性が高い。15分前後の戦いとなり、7、8分を超えたあたりからのスタミナで決着と予想する。

東立成号は2012年10月(敬老の日大闘牛)でデビュー。デビュー当時から逸材の評価があったが、竜輝若鷹丸、勝進龍,豪剣荒富士、ゆかり号(三代目)、ブルジュニアを連破し、5戦全勝の快進撃となっている。2戦目(昨年1月)の勝進龍、3戦目(昨年3月)の豪剣荒富士とは有望無敗対決で大きな注目を集めたが、力感あふれるすばらしい動きで両牛を圧倒し、闘牛通を唸らせた。6戦目で大一番に臨むが、ここで期待どおりの「真価」を発揮することができれば「戴冠」の可能性は大。

石山玄皇は昨年3月に白星デビュー(相手は暖流号)。その後白龍王、それいけ台風、雲龍優毅號に連勝して無傷の4連勝。内容も危なげなく、すこぶる順調な歩みとなっているが、玄皇の評価を急上昇させたのは4戦目(5月春全島)の雲龍優毅號との一戦。それまでより相手を格上げしての戦いだったが、余裕だけが目立った過去3戦とは打って変わり、目の覚めるような集中力を見せた。対戦開始3分過ぎ、対戦相手とのもみ合いを振り払うように放った鋭い押し込み一発。優毅號との激闘を一瞬して終わらせる迫力だった。相当な潜在力を秘めた大物の予感があるが、今回でそれが証明されるかどうか、大いに注目したい。

第102回秋の全島闘牛大会


中量級優勝旗争奪戦

闘将ハヤテ 対 戦闘大主

第102回秋の全島闘牛大会


中量級は体重970kg以下の規定がある。全島大会の一か月前に検量があり、両牛とも難なくパス。11戦全勝、破竹の快進撃を続ける闘将ハヤテが7回目の防衛に挑む。このクラスでは向かうところ敵なしの感があるハヤテの防衛が有力視されている。序盤、名うての荒技牛で知られる戦闘大主の猛攻を堅い守りで乗り切れば、ほどなく白星に王手となろう。戦闘大主の勝機は対戦開始3分以内と予想する。突き、割りで先制し、有無を言わさぬ腹取りを決めることができれば王座奪取の可能性がある。大主の荒技にハヤテの堅守、今大会もっとも緊迫感が高まる一戦。

ハヤテはデビューが2011年6月具志川大会(相手は千翔くろひげ)。でその後、石山阿修羅、不発弾、伊良皆圧送若頭などの実力牛を連破し、2012年8月に中量級タイトルを奪取(対戦牛は常勝会荒波)した。その後、古堅モーターズ号、トラムクーパンダ、古堅モータース喜神、蜂男トガイー来夢、琉仁謝名戦闘鬼、有心富士若などの強豪を次々に下してタイトル防衛6回を達成している。無傷の12連勝で驚異的な防衛回数を達成することができるか、要注目だ。

戦闘大主は徳之島からの移籍牛。2013年1月新春石川大会で沖縄デビューし、琉球美宝、ダイナマイト一撃、みつる将軍、雷神丸を次々に下して4連勝。一気にトップグループ入りを果たしたが、今年1月新春大闘牛で古豪荒波にまさかの敗北。予想外の失速に心配されていたが、9月敬老の日大会で剛力天神丸に圧勝し、完全復活を果たした。兎にも角にも序盤の一発にかけるのみ。観客の目を釘付けにするだろう。



第102回秋の全島闘牛大会


軽量級優勝旗争奪戦

龍天龍鬼丸 対 無双宇良部親方

第102回秋の全島闘牛大会


軽量級の体重上限は850kg。ここ2年間はまさに戦国時代の様相で、すでに5頭のチャンピオンが誕生している。8月に新チャンピオンになったばかりの龍天龍鬼丸が初防衛をめざすが、リベンジを期す一戦でもある。両牛はちょうど一年前の秋全島で対戦しているが、今回とは真逆の立場で、宇良部がチャンピオン、鬼丸が挑戦牛だった。結果は12分余の激戦の末に無双宇良部が勝ち、軽量級初防衛を果たしている。闘牛の再戦は、「雪辱が少なく、「返り討ち」の数字が多いとのデータがあるが、このジンクスに鬼丸が挑む形となった。両牛の序盤の動きが勝敗のカギとなりそう。水平に湾曲した角を持つ宇良部が、これをうまく使ってじりじりと前に出る展開を作れば、遅かれ早かれ白星が見えてくるだろう。鬼丸としては、得意のカケ技で宇良部の前進を止め、宇良部の疲れを待ちたい。鬼丸は持久力もあるので、勝機をつかむだろう。

鬼丸は徳之島で3戦した後に沖縄移籍。沖縄場所は6勝(牛頭若力、豪剣パンダ、東昇ドラゴンズ、渡具知カキャー、伊集若力、大蛇王)を上げ、敗戦は2敗(宇良部と闘将☆メカ、)。入場のたびに場内がどよめく立派な大角を持ち、割り、突きの荒技を交えた強引なカケ押しは戦慄感漂う迫力がある。対戦のたびに会場をわかす屈指の人気花形牛にのし上がっている。

無双宇良部は旧名が宇良部嵐。沖縄で3連勝した後徳之島に移籍して大活躍した実力牛で知られる。徳之島では数々の強豪と対戦を続け、好成績を積み上げた。2012年10月には敗れはしたが、徳之島軽量級王座に挑戦した経歴も。昨年3月春の選抜闘牛で沖縄復帰し、馬天龍虎、嘉良来亥背白、龍天龍鬼丸などの名だたる強豪を破って5勝を上げている。大蛇王に2敗、もう一頭は古堅モータース白眉と3敗しているが、敗れた相手もトップクラスだけに戦力評価を下げる必要はない。直前場所(8月チャリティー闘牛)で龍星若獅子を下した時の落着きがあれば、「王座返り咲き」が十分に期待できる。
対戦表
第102回秋の全島闘牛大会

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